
秋のポストシーズンに入ると突如としてメジャー最高峰のスラッガーに変貌する「10月の男(October Hero)」。捕手を除く全ポジション(投手含む)をこなすMLBトップレベルのマルチプレイヤーであり、バナナの着ぐるみでベンチに現れるなどドジャース最強のムードメーカーとして君臨。
目次
01基本プロフィール
| フルネーム Enrique Javier “Kiké” Hernández | 投打 右投右打 |
| 身長 / 体重 約180cm / 約88kg(5-11 / 195lb) | 生年月日 1991年8月24日 |
| 出身 プエルトリコ・サンファン | ポジション 二塁手、中堅手、遊撃手、三塁手、一塁手、左翼手、右翼手、投手 |
| 背番号 8 | MLBデビュー 2014年7月1日(アストロズ) |
| 所属歴 HOU(2014)〜 MIA(2014)〜 LAD(2015-2020)〜 BOS(2021-2023)〜 LAD(2023-現在) | 主な実績 ワールドシリーズ優勝3回(2020, 2024, 2025年)、WBCプエルトリコ代表2回(2017, 2023年) |
| ドラフト 2009年 6巡目(全体191位)アストロズ指名 | 愛称 Kiké(キケ) |
02キャリア概要 ― アストロズでのデビューからドジャース、レッドソックス、そして愛する古巣への復帰まで
エンリケ・ヘルナンデス(通称キケ)はプエルトリコ出身で、2009年のMLBドラフト6巡目(全体191位)でヒューストン・アストロズから指名されプロ入り。2014年7月1日にメジャーデビューを果たし、同年のシーズン途中にマイアミ・マーリンズへ移籍。そして2014年オフ、ミゲル・ロハスらとともに大型トレードでロサンゼルス・ドジャースへ加入した。
ドジャース加入後は、内野全般と外野3ポジションを高水準で守るスーパーサブとして欠かせない存在へと成長。2017年のNLCS第5戦で1試合3本塁打(満塁弾含む)を放つなど勝負強さを発揮し、2020年にはドジャースの32年ぶりとなるワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。
2021年にFAでボストン・レッドソックスへ移籍し、同年ア・リーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)でも圧巻の打撃を披露。2023年7月、不振に喘いでいたチームを救うべくトレードで古巣ドジャースへ電撃復帰を果たした。2024年・2025年もポストシーズンで勝負強さを炸裂させ、ドジャースの連覇を支える「ドジャース精神そのもの」としてファンに熱狂的に愛されている。
03年度別成績(主なシーズン&近年の成績)
| 年度 | 所属 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | LAD | 140 | 297 | 64 | 11 | 37 | 3 | .215 | .308 | .729 |
| 2018 | LAD | 145 | 402 | 103 | 21 | 52 | 3 | .256 | .336 | .806 |
| 2020 | LAD | 48 | 135 | 31 | 5 | 20 | 0 | .230 | .270 | .680 |
| 2021 | BOS | 134 | 508 | 127 | 20 | 60 | 1 | .250 | .337 | .786 |
| 2023 | BOS/LAD | 140 | 465 | 110 | 11 | 61 | 4 | .237 | .289 | .646 |
| 2024 | LAD | 126 | 363 | 83 | 12 | 42 | 0 | .229 | .281 | .654 |
| 2025 | LAD | 123 | 380 | 77 | 10 | 35 | 0 | .203 | .261 | .588 |
※成績はMLB公式・Baseball-Reference準拠。ハイライトは20本塁打到達年(2018年)およびドジャースでワールドシリーズ優勝を果たしたシーズン(2020, 2024, 2025年)。
04プレースタイルと強み ― 捕手以外全てを守る守備力と「秋の大覚醒」
キケ・ヘルナンデスの最大の強みは、メジャー屈指のユーティリティ性と、プレッシャーがかかる大一番での圧倒的な勝負強さにある。セカンド、ショート、サード、センター、ライト、レフト、ファーストの全ポジションを本職レベルの守備指標でこなし、投手としてもマウンドに登る。
打撃面では、レギュラーシーズンの打率が.220〜.240前後であっても、プレッシャーのかかるポストシーズン(10月〜11月)に入った瞬間に一変。通算ポストシーズン本塁打数は15本以上を記録しており、大舞台であればあるほど本塁打や決勝打を放つ「短期決戦の鬼」としてメジャー中にその名を轟かせている。
また、左投手(対左腕)に対する強い打撃アプローチや、相手投手のクセを見抜く能力にも長けており、スタメンでも途中出場でも即座に結果を出す能力は監督にとって究極のカードである。
05野球好きもうなるマニアックネタ&ポストシーズン伝説
📊 【マニアックネタ1】ポストシーズン1試合3本塁打(NLCS満塁弾)の偉業
2017年10月19日のNLCS(ナショナル・リーグチャンピオンシップシリーズ)第5戦(対シカゴ・カブス戦)、キケは単一のポストシーズン試合で3本塁打(満塁ホームラン含む)を叩き出し、7打点を挙げる歴史的爆発を見せた。ポストシーズンでの1試合3本塁打はMLB史上わずか数人しか達成していない超レア記録であり、ドジャースを29年ぶりのワールドシリーズ進出へと導いた。
📈 【マニアックネタ2】ポストシーズンの通算OPSがレギュラーシーズンを大幅に上回る奇跡
セイバーメトリクス上、打者の多くはポストシーズンで強投手と対戦するため成績が低下するのが一般的である。しかしキケの場合、通算レギュラーシーズンのOPSが.700前後であるのに対し、通算ポストシーズンのOPSは.800〜.900近くまで急上昇する。この「10月のバフ(能力向上)」は、Statcastやアナリストたちの間でも科学的に説明がつかないMLBの不思議として語り継がれている。
⚾ 【マニアックネタ3】2018年、投手としてメジャー史上初の「サヨナラ被弾投手」に
2018年7月24日のフィラデルフィア・フィリーズ戦、延長16回の死闘となり野手を使い果たしたドジャースは、キケを投手としてマウンドに送った。しかし16回裏、相手打者トレバー・プルーフにサヨナラ3点本塁打を浴びて敗戦。野手として登板しサヨナラ本塁打を浴びて負け投手となった非常に珍しい珍記録の当事者となった。
06あまり知られていないエピソード
🍌 チームの負け運を払拭した「バナナマン(Rally Banana)」事件
2015年シーズン、チームが重苦しい雰囲気に包まれていた試合中、キケはダグアウトで黄色のバナナの着ぐるみを着て現れ、大暴れしてチームメイトを大爆笑させた。このおふざけ直後にドジャースが劇的な逆転勝利を飾ったことから、「ラリー・バナナ(勝利を呼ぶバナナ)」として大フィーバー。ファンがバナナの着ぐるみを着てスタジアムに詰めかける社会現象となった。
🎙️ 生放送インタビューでの放送事故級マイクパフォーマンス
ポストシーズンで勝利を決めた直後のグラウンドでのテレビ生インタビューにおいて、興奮のあまりFワード(放送禁止用語)をマイクに向かって叫んでしまうのが半ばお約束となっている。解説者やアナウンサーが大慌てで謝罪するハプニングも含めて、ドジャースファンから愛される彼のチャーミングなキャラクターを象徴している。
07大谷翔平・山本由伸との関係とチームでの役割
2024年に大谷翔平と山本由伸がドジャースへ加入すると、キケはすぐさま二人の「最高の兄貴分・ムードメーカー」となった。グラウンドやベンチでは大谷と無邪気にジョークを交わし、大谷が本塁打を打った際には独特のハイタッチやセレブレーションで出迎える姿が日常茶飯事となった。
また、大谷がポストシーズンで圧巻の活躍を見せた際には、現地メディアに対して「翔平のプレーは子どもの頃に野球カードでしか見たことがないような次元だ」とコメントして絶賛。プレッシャーがかかる短期決戦において、持ち前の明るさと経験値で大谷や山本らの緊張を解きほぐし、ドジャースベンチの雰囲気を最高潮に高める「精神的リーダー」として連覇に貢献している。
08まとめ
キケ・ヘルナンデス まとめ
- 捕手を除く全ポジションを守り抜くメジャー屈指の超万能ユーティリティ
- 10月の短期決戦(ポストシーズン)になると一気に覚醒する「10月の男(October Hero)」
- NLCSでの1試合3本塁打(満塁弾含む)など数々の短期決戦名場面を保持
- 「バナナの着ぐるみ」や放送禁止用語インタビューなど、ドジャースファンに最も愛されるお調子者
- 大谷翔平や山本由伸のリラックスした表情を引き出し、ドジャースの連覇をベンチから支える最高峰のムードメーカー





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