2024年にマーリンズとパドレスで計72試合・防御率1.75という驚異的な成績を残し、オールスターにも選出されたMLB屈指の左腕リリーバー。対大谷翔平に対しても無類の強さを誇った「天敵」が、2024年オフに4年7,200万ドルの大型契約でドジャースへ加入。勝利の方程式を担うブルペンの絶対的キーマン。
目次
01基本プロフィール
| フルネーム Tanner Alexander Scott | 投打 右投左打 |
| 身長 / 体重 約188cm / 約106kg(6-2 / 235lb) | 生年月日 1994年7月22日 |
| 出身 アメリカ合衆国オハイオ州ウォーレン | ポジション 投手(救援・抑え) |
| 背番号 66 | MLBデビュー 2017年9月20日(オリオールズ) |
| 所属歴 BAL(2017-2021)〜 MIA(2022-2024)〜 SDP(2024)〜 LAD(2025-現在) | 主な実績 NLオールスター選出(2024年)、ワールドシリーズ優勝(2025年) |
| ドラフト 2014年 6巡目(全体181位)オリオールズ指名 | 契約ステータス 4年7,200万ドル(2025-2028年) |
02キャリア概要 ― オリオールズからマーリンズでの覚醒、パドレスでの激闘とドジャース大型移籍まで
タナー・スコットは2014年のMLBドラフト6巡目(全体181位)でボルチモア・オリオールズから指名を受けプロ入り。2017年9月にメジャー初昇格を果たした。オリオールズ時代は100マイル近い直球を持ちながらも制球力に課題を抱えていたが、2022年にマイアミ・マーリンズへ移籍すると守護神・セットアッパーとしての才能が急速に開花した。
特に圧巻だったのが2023年と2024年シーズンである。2023年に74試合で防御率2.31を記録すると、2024年はマーリンズとシーズン途中に移籍したサンディエゴ・パドレスで計72試合に登板し、9勝6敗22セーブ、防御率1.75というメジャー最高峰の救援数値をマーク。自身初となるオールスターゲームにも選出された。同年のNLDS(地区シリーズ)ではパドレスの強力救援陣の一角としてドジャース打線をノーヒットに抑え込む圧巻の好投を見せた。
2024年オフ、フリーエージェント(FA)となったスコットに対し、ライバルであったロサンゼルス・ドジャースが4年7,200万ドル(約110億円)の大型契約を提示して獲得。ドジャース加入1年目(2025年)は不振やマイナー修正を経験したものの、フォーム見直しとメンタル面の再構築を経て見事にアジャスト。最強の左腕リリーバーとしてドジャースの連覇をブルペンから支えている。
03年度別成績(主なシーズン&近年の成績)
| 年度 | 所属 | 登板 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | 投球回 | 奪三振 | 防御率 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | BAL | 62 | 5 | 4 | 0 | 54.0 | 70 | 5.17 | 1.57 |
| 2022 | MIA | 67 | 4 | 5 | 20 | 62.2 | 90 | 4.31 | 1.61 |
| 2023 | MIA | 74 | 9 | 5 | 12 | 78.0 | 104 | 2.31 | 0.99 |
| 2024 | MIA/SDP | 72 | 9 | 6 | 22 | 72.0 | 84 | 1.75 | 1.13 |
| 2025 | LAD | 61 | 1 | 5 | 21 | 57.1 | 70 | 4.74 | 0.98 |
| 2026 | LAD | 63 | 4 | 3 | 4 | 63.1 | 72 | 3.55 | 1.22 |
※成績はMLB公式・Baseball-Reference・FanGraphs等の公開データ準拠。ハイライトは防御率1点台を記録した2024年 およびドジャースでの各シーズン成績。
04プレースタイルと強み ― 99マイル直球と「消えるスライダー」の二球種支配
スコットの最大の武器は、平均で96〜97マイル(約154〜156km/h)、最速99マイル(約159km/h)に達するクロスファイアのフォーシーム(直球)と、80マイル台後半で急激に水平・垂直方向へ曲がり落ちるスライダーの投球スタイルにある。
実質的にほぼ「フォーシームとスライダー」の2球種のみで勝負するピッチャーでありながら、打者に絞り込みを許さない。特に左打者の内角へ投げ込む剛速球と、右打者の膝元・外角低めに沈むスライダーの組み合わせは三振率(K%)が常に30%近くに達し、打者のスイングをことごとく空振りに追い込む。
また、強打者相手でもハードヒット(強い打球)を打たせない能力(HardHit%・Exit Velocityの低さ)はMLBトップクラスを誇り、詰まらせて内野ゴロや空振りを奪う安定感が持ち味である。
05野球好きもうなるマニアックネタ&セイバー視点
📊 【マニアックネタ1】Statcast「平均許打球速度(Exit Velocity)」でMLB上位1%の圧倒的バレル抑制能力
2024年シーズンのStatcast分析において、スコットが打者から許した平均打球速度(Average Exit Velocity)は「84.3 mph(約135.6 km/h)」という異次元の数値を記録した。これはメジャー全投手の中でも最上位(100th Percentile)に位置する数値であり、芯で捉えさせない「ソフトコンタクト率」の高さが防御率1.75の最大の原動力であった。
📈 【マニアックネタ2】2打ストライク時のゾーン率(Zone%)変更による2026年の劇的V字回復
ドジャース移籍1年目(2025年)に被本塁打が増加して苦しんだスコットは、アナリティクス班との分析により「2ストライク後のアプローチ」を大幅に改善した。2ストライク時のストライクゾーン投影率(Zone%)を51.3%から36.4%へ引き下げ、あえてボールゾーンへ振らせるスライダーの配球へシフト。これにより空振り率が急上昇し、本来のピッチングを取り戻した。
⚾ 【マニアックネタ3】2024年NLDSでドジャース打線を完封した「敵から味方へ」の歴史
2024年のナショナル・リーグ地区シリーズ(NLDS)、パドレスに所属していたスコットはドジャース戦で4試合に救援登板し、3イニングを投げて被安打2、無失点、5奪三振とドジャース打線を完全に封じ込めた。大谷翔平やベッツ、フリーマンらドジャース首脳陣に強烈なインパクトを与えたことが、その後のオフの4年7,200万ドルという超破格のFAオファーへと繋がった。
06あまり知られていないエピソード(大谷翔平との対戦成績)
📌 かつて大谷翔平を極限まで抑え込んだ「大谷キラー」の誇り
パドレスやマーリンズ時代、スコットは大谷翔平に対して対戦成績で圧倒的な強さを誇っていた。鋭いスライダーとインハイ(内角高め)の真っスラ気味の直球は大谷にとっても最も打ちづらい球種の一つであり、何度も三振を奪って見せた。味方となったことで大谷も「対戦しなくて済むのが一番ありがたい」と胸をなでおろしたライバル関係であった。
🏆 雑草魂を体言する「短大(ハワード短大)出身」からのブレイクストーリー
スコットはエリート街道を進んできた投手ではなく、テキサス州のハワード短大(Howard College)からドラフト指名を受けた苦労人である。制球難からメジャー定着まで時間を要したが、30歳手前でMLB最高給クラスのサウスポーリリーバーへと上り詰めた叩き上げの経歴を持つ。
07大谷翔平との関係とチームでの役割
2024年まで宿敵パドレスのセットアッパー・抑えとして大谷翔平の前に立ちはだかっていたタナー・スコットだったが、ドジャース移籍後は一転して最高の味方となった。スプリングトレーニングやベンチでは大谷と笑顔で会話を交わし、味方となった心強さを互いに語り合っている。
ドジャースのブルペン陣においては、試合終盤の8回・9回を締める勝利の方程式(セットアッパー/クローザー)として絶大な存在感を発揮。先発陣が作ったリードを守り切り、大谷翔平らの打撃陣の活躍を勝利という形で完結させる最後の砦として、ドジャースの常勝王朝を強烈に支えている。
08まとめ
タナー・スコット まとめ
- 最速99マイルの直球とエグいスライダーを武器にするメジャー屈指の左腕リリーバー
- 2024年に防御率1.75を記録し、4年7,200万ドルでパドレスからドジャースへ大型移籍
- かつて大谷翔平を抑え込んだ「元・天敵」であり、Statcastのソフトコンタクト率はMLB1位クラス
- アプローチとフォームの改善でV字回復を果たし、ドジャースの救援陣を牽引
- 大谷翔平らとともに、ドジャースの常勝・世界一連覇をブルペンから支える絶対的サウスポー





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