最速100マイル(約161km/h)に迫る極上のフォーシームと、打者の手元で鋭く消えるスライダー。かつてポストシーズンで大谷翔平を完璧に封じ込め、今や心強い味方となった守護神候補の全貌。
目次
01基本プロフィール
| フルネーム Tanner Alexander Scott | 投打 右投左打 |
| 身長 / 体重 183cm / 106kg | 生年月日 1994年7月22日 |
| 出身 アメリカ合衆国オハイオ州ウォーレン | ポジション 投手(救援・抑え) |
| 背番号 66 | MLBデビュー 2017年9月20日(オリオールズ) |
| 所属歴 BAL(2017-21)〜 MIA(2022-24)〜 SDP(2024)〜 LAD(2025-現在) | 主な実績 MLBオールスターゲーム選出(2024年) |
| ドラフト 2014年 6巡目(全体181位)オリオールズ指名 | 契約ステータス 4年総額7200万ドル(2025年〜2028年) |
02キャリア概要 ― オリオールズでのデビューから覚醒、ドジャースとの大型契約まで
タナー・スコットは2014年のMLBドラフト6巡目でボルチモア・オリオールズに入団し、プロキャリアをスタートさせた。マイナー時代から群を抜く球速を見せつけていたササポーは、2017年9月20日にメジャーデビューを果たす。オリオールズ時代は高い奪三振能力を示す一方で制球難に苦しむ時期もあったが、2022年にマイアミ・マーリンズへ移籍してからクローザーとしての才能が一気に開花した。
特に2023年は74試合に登板して防御率2.31、104奪三振と圧巻の成績をマーク。2024年シーズン前半もマーリンズで防御率1点台前半と圧倒的なピッチングを続け、自身初となるオールスターゲーム選出を果たした。同年途中にトレードでサンディエゴ・パドレスへ移籍すると、そこでも強固なリリーフ陣の一角としてポストシーズン進出に尽力した。
そして2025年1月23日、リリーフ左腕として破格の4年総額7200万ドル(約110億円)という超大型契約を結び、ロサンゼルス・ドジャースへ加入。移籍1年目の2025年は一部でセーブ失敗に苦しむ試練の時期もあったものの、23セーブを記録してブルペンを死守。迎えた2026年シーズンは、さらに安定感を増した投球で防御率2点台前半、驚異的なWHIP(1イニングあたりの許した走者)を記録するなど、世界一連覇を狙うドジャースの絶対的守護神・セットアッパーとして凄みを増し続けている。
03年度別成績
| 年度 | 所属 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | 投球回 | 奪三振 | 防御率 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | MIA | 74 | 9 | 5 | 12 | 78.0 | 104 | 2.31 | 0.99 |
| 2024 | MIA/SDP | 72 | 9 | 6 | 22 | 72.0 | 84 | 1.75 | 1.13 |
| 2025 | LAD | 61 | 1 | 4 | 23 | 57.0 | 60 | 4.74 | 1.26 |
※2026年シーズンは現在進行中のため除外(成績はBaseball-Reference準拠)。黄色ハイライトは自身初のオールスターに選出され、防御率1.75とキャリアハイの輝きを放った2024年シーズン。
04プレースタイルと強み
スコットの最大の武器は、左腕から繰り出される破壊力抜群の**「パワーピッチング」**にある。平均球速が90マイル台後半、最速では100マイル(約161km/h)に迫る豪速球(フォーシーム)は、メジャーの強打者であっても力でねじ伏せることができる。この直球と同じ軌道から、バッターの手元で激しく鋭く変化する「高速スライダー」のコンビネーションが彼の真骨頂だ。
特にその奪三振能力は凄まじく、イニング数を大幅に上回る三振を奪うことができるため、ノーアウト満塁や一打サヨナラのピンチといった、バットにすら当てさせたくない絶体絶命の場面でこれ以上ない威力を発揮する。かつては課題とされたコントロールも近年は大きく改善され、大崩れしないタフさを手に入れた。
また、年間60〜70試合以上の過酷な登板を毎年こなせる「タフネスさ」も首脳陣から絶大な信頼を置かれる理由だ。マウンド上で一切物怖じしない不敵なマインドも、リリーフエースに相応しい強みと言える。
05あまり知られていないエピソード
📌 わずか3球で試合を終わらせた伝説の「3球セーブ」
ドジャース加入後の2025年4月5日、フィラデルフィア・フィリーズ戦においてスコットは野球史に残る珍記録を樹立した。9回にリリーフ登板すると、対峙した3人の打者をすべて「わずか1球」で打ち取り、合計「3球」でセーブを挙げたのだ。これはメジャーリーグの歴史でも、あの伝説の守護神マリアノ・リベラらを含め、過去に数人しか達成していない極めて稀な快挙であり、彼の効率的かつ攻撃的なピッチングが光った瞬間であった。
🏆 鉄壁リリーフとしての価値を証明した2024年ポストシーズン
2024年、パドレスに在籍していたスコットはポストシーズンで5試合に登板。4回1/3を投げて失点わずか「0」、7つの三振を奪う完璧な火消し役を演じた。この大舞台での圧倒的なパフォーマンスと勝負強さが、シーズンオフにドジャースが総額7200万ドルという破格の条件を提示して彼を迎え入れる決定打となった。
06大谷翔平との関係とチームでの役割
今でこそドジャースでチームメイトとして固い握手を交わす二人だが、2024年シーズンまでは「最凶の天敵」として激しい火花を散らしていた。特に2024年のナ・リーグ地区シリーズ(パドレス対ドジャース)では、スコットがパドレスの絶対的リリーフとして大谷翔平の前に立ち塞がった。このシリーズでスコットは大谷から「4つの三振」を奪うなど完璧に封じ込め、大谷自身にとっても極めて手強い宿敵の一人だった。
だからこそ、2025年にスコットがドジャースへの移籍を決めた際、現地メディアやファンの間では「あの天敵のスコットが味方になるのはこれ以上ない補強だ」と大いに歓喜した。現在では、大谷が本塁打を放ってベンチに戻った際や、スコットが9回のマウンドを締めて勝利した瞬間に、お互い笑顔でハグやハイタッチを交わす光景が日常となっている。敵としてこれ以上なく厄介だった存在が、今やドジャースの勝利を後ろから支える最も頼もしい相棒となっているのだ。
高給に見合うだけの重圧がかかるドジャースのブルペンにおいて、スコットの存在は他の救援陣にとっても大きな精神的支柱。大谷翔平が前線でチームを引っ張り、スコットが最後尾で鍵をかける――この必勝リレーこそが、現在のドジャースの最大の強みとなっている。
07まとめ
タナー・スコット まとめ
- オリオールズでデビュー後、マーリンズで才能を開花させた球界屈指の左の剛腕リリーバー
- 2024年には自身初となるMLBオールスターゲームに選出され、防御率1.75のキャリアハイを記録
- 100マイルに迫る「剛速球」と、一級品の「高速スライダー」で三振の山を築く高い瞬発力が武器
- 2025年に4年総額7200万ドルの大型契約でドジャースへ加入し、歴史的な「3球セーブ」も達成
- 2024年ポストシーズンでは大谷翔平から4三振を奪った過去を持ち、現在は心強い「世界一への仲間」へ
- 連覇を狙うドジャースブルペンの絶対的守護神・セットアッパーとして、ファンからの期待を背負うサウスポー





コメント