身長203cmという恵まれた体格と、球界トップクラスのエクステンション(球持ち)から繰り出される豪速球&カーブが武器の本格派右腕。2024年開幕直前にレイズからのトレード移籍と同時に5年延長契約を結び、開幕投手としてドジャースの先発ローテーションを牽引。
目次
01基本プロフィール
| フルネーム Tyler Allen Glasnow | 投打 右投左打 |
| 身長 / 体重 約203cm / 約102kg(6-8 / 225lb) | 生年月日 1993年8月23日 |
| 出身 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクラリタ | ポジション 投手(先発) |
| 背番号 31 | MLBデビュー 2016年7月7日(パイレーツ) |
| 所属歴 PIT(2016-2018)〜 TB(2018-2023)〜 LAD(2024-現在) | 主な実績 オールスター選出1回(2024年)、ドジャース開幕投手(2024年)、ワールドシリーズ優勝2回(2024, 2025年) |
| ドラフト 2011年 5巡目(全体152位)パイレーツ指名 | 契約ステータス 5年1億3,500万ドル(2024-2028年、球団オプション付) |
02キャリア概要 ― パイレーツでのデビューからレイズでの覚醒、ドジャース移籍と大型延長契約まで
タイラー・グラスノーはカリフォルニア州出身で、2011年のMLBドラフト5巡目(全体152位)でピッツバーグ・パイレーツから指名されプロ入り(※なお、同ドラフトの同じ5巡目全体172位では後にドジャースで同僚となるムーキー・ベッツが指名されている)。マイナー時代からプロスペクトとして注目を集め、2016年7月7日にメジャーデビューを果たした。
2018年7月にトレードでタンパベイ・レイズへ移籍すると、球団のデータ解析とアプローチ見直しにより潜在能力が一気に開花。100マイルを超えるフォーシームと落差の激しいカーブ、スライダー(スピーディーなスライダー/スピーダー)を武器に、イニング数を大幅に上回る三振を奪うエースへと成長を遂げた。
2023年12月、トレードで地元カリフォルニアを本拠地とするロサンゼルス・ドジャースへ移籍。移籍と同時に5年1億3,500万ドルの長期契約を結び、2024年の開幕戦(韓国・ソウルでの開幕カード)で開幕投手を務めた。豪快な奪三振ショーでドジャースの先発ローテーションを牽引し、2024年・2025年の世界一達成を支えている。
03年度別成績(2016年〜2025年)
| 年度 | 所属 | 登板 | 先発 | 勝利 | 敗戦 | 投球回 | 奪三振 | 防御率 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | PIT | 7 | 4 | 0 | 2 | 23.1 | 24 | 4.24 | 1.50 |
| 2017 | PIT | 15 | 13 | 2 | 7 | 62.0 | 56 | 7.69 | 2.02 |
| 2018 | PIT/TB | 45 | 11 | 2 | 7 | 111.2 | 143 | 4.27 | 1.29 |
| 2019 | TBR | 12 | 12 | 6 | 1 | 60.2 | 89 | 1.78 | 0.89 |
| 2020 | TBR | 11 | 11 | 5 | 1 | 57.1 | 91 | 4.08 | 1.13 |
| 2021 | TBR | 14 | 14 | 5 | 2 | 88.0 | 123 | 2.66 | 0.93 |
| 2022 | TBR | 2 | 2 | 0 | 0 | 6.2 | 10 | 1.35 | 0.90 |
| 2023 | TBR | 21 | 21 | 10 | 7 | 120.0 | 162 | 3.53 | 1.08 |
| 2024 | LAD | 22 | 22 | 9 | 6 | 134.0 | 168 | 3.49 | 0.95 |
| 2025 | LAD | 18 | 18 | 4 | 3 | 90.1 | 118 | 3.19 | 1.02 |
※成績はMLB公式・Baseball-Reference・FanGraphs準拠。ハイライトは防御率1.78を記録した2019年およびドジャース移籍後のワールドシリーズ優勝シーズン。
04プレースタイルと強み ― 203cmの体格を生かした球持ちと脅威の奪三振能力
グラスノーの最大の武器は、最速100マイル(約161km/h)を超える力強いフォーシーム(直球)と、上から縦に鋭く叩き落とす一級品のカーブ、そして90マイル台中盤でスライドするスライダーのコンビネーションである。
身長203cmという圧倒的な体格を生かした投球フォームは、リリースポイントが打者寄りに大きく突き出るため、打者にとっては体感速度が表示球速以上に速く感じられる。球界トップレベルの奪三振率(K/9)を誇り、ピンチの場面であっても三振で一切の打球を飛ばさせずに切り抜けるドミネート能力が特長である。
また、レイズ時代以降は変化球の精度とストライクゾーン管理が格段に向上し、高いWHIP(1イニングあたりに出すランナーの数)の少なさを維持。圧倒的な球威と球持ちの良さで、メジャーの強力打線をねじ伏せている。
05野球好きもうなるマニアックネタ&セイバー視点
📊 【マニアックネタ1】Statcast屈指の数値「7.5フィート超」のエクステンション(球持ち)
Statcastのデータ分析において、グラスノーは「Extension(リリースポイントが投手板からどれだけ打者寄りに位置しているか)」の指標でメジャー全体でも毎年トップ1%レベルの数値を叩き出している。平均的な投手が6.5フィート前後であるのに対し、グラスノーは7.5フィート(約2.3メートル)以上前で球を放すため、打者の体感速度(Perceived Velocity)は表示速度よりも2〜3km/h以上速く感じられる。
📈 【マニアックネタ2】ピッチトンネルが生み出す「完全な縦の軌道ギャップ」
グラスノーのピッチングスタイルは非常にシンプルでありながら攻略が極めて困難である。その理由はフォーシームとカーブの「ピッチトンネル(打者が球種を識別するまでの軌道の重なり)」にある。203cmのハイアングルから放たれる直球とカーブは途中まで全く同じ軌道でベース上に到達し、そこから直球はホップし、カーブは垂直に急落下する。この「縦の高低差」のギャップが打者のスイングを誘発している。
⚾ 【マニアックネタ3】2011年ドラフト5巡目の奇跡(ベッツと同同期)
2011年MLBドラフトの「5巡目」は、後にドジャースの黄金期を支える運命的な巡目となった。パイレーツから全体152位で指名されたグラスノーと、レッドソックスから全体172位で指名されたムーキー・ベッツは、同じ年のドラフト5巡目指名組である。下位指名から球界トップに上り詰めた二人が、巡り巡ってドジャースでチームメイトとなっているドラマチックな背景が存在する。
06あまり知られていないエピソード
📌 ハリウッド俳優「キリアン・マーフィー」に酷似していると話題に
端正な顔立ちと鋭い目元、彫りの深いルックスから、映画『オッペンハイマー』などで主演を務めたハリウッドの超有名俳優キリアン・マーフィーに酷似していると現地メディアやファンの間で大きな話題となった。本人もインタビューでネタにされることがあり、ドジャース屈指の「イケメン投手」としても高い人気を誇っている。
🏆 地元南カリフォルニアへの愛とファン思いな素顔
グラスノーはカリフォルニア州サンタクラリタ出身で、幼少期からドジャースのファンとして育った。ドジャースへの移籍が決まった際には「夢が叶った」と喜びを語り、移籍と同時に5年延長契約を快諾した。ファンへの神対応でも知られ、サインに応じる親しみやすい素顔もファンに愛されている。
07大谷翔平・山本由伸との関係とチームでの役割
2023年オフにグラスノーがドジャースへの移籍・延長契約を検討していた際、ドジャースと入団合意したばかりの大谷翔平から直筆のビデオメッセージが送られたエピソードは有名である。大谷はビデオ内で「あなたのためにホームランを打ちたい」「一緒にチームへ加わってほしい」と熱烈にラブコールを送り、この大谷からのアプローチがグラスノーのドジャース移籍決断を大きく後押しした。
移籍後は、大谷翔平や山本由伸、ブレイク・スネルらとともにメジャー屈指の強力先発ローテーションを形成。山本由伸とも仲が良く、お互いの投球フォームやピッチングのメカニクスについて熱心に意見交換を行うなど、先発陣の柱として相乗効果を生み出している。
2024年の開幕投手を任されたように、その圧倒的な球威とキャプテンシーでドジャースの投手陣を牽引。「勝てるエース」として常勝軍団の足元を力強く支えている。
08まとめ
タイラー・グラスノー まとめ
- 身長203cmの恵まれた体格から最速100マイルの直球と豪快なカーブを投げ下ろすドジャースの絶対的エース
- Statcastトップ1%レベルのエクステンション(球持ち)を誇り、体感速度と縦のピッチトンネルで打者を圧倒
- 2024年開幕直前にレイズから移籍し、5年1億3,500万ドルの延長契約と開幕投手を務める
- 大谷翔平からの熱烈なビデオメッセージが移籍決断の決め手となった
- 俳優キリアン・マーフィー似のルックスと気さくな性格で、ファンやチームメイトから愛される右腕





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